バレーボールのアンダーハンドパスで「ボールが左右に飛ぶ」「思ったより高く上がる」「短く落ちる」ときは、腕を強く振る前に両腕で作る面の向きと、膝を使ってボールの下へ入る動きを確認しましょう。狙いは、腕でボールをたたくことではなく、安定した面で受け、体全体の動きで次の人が触りやすい場所へ返すことです。
この記事の結論
まず①ボールの正面へ足を運ぶ、②両前腕の面をそろえて打球方向へ向ける、③膝と股関節を軽く曲げた姿勢からボールを受ける、の順番で練習します。
腕の振り幅を小さく保ち、手投げのやさしい球から始めて「狙った範囲に返せるか」を確認してから移動や球速を増やしてください。
アンダーハンドパスの基本|腕の面と膝は役割が違う
アンダーハンドパス(アンダーパス、前腕で行うレシーブ)は、ボールに接触する面を安定させながら、足で位置を合わせる技術です。腕・膝・足運びを一度に直そうとすると原因が分からなくなるため、次のように分けて見ます。
腕の面|左右の前腕をそろえて、当てる場所を安定させる
片方の手をもう一方の手で包むなど、無理のない組み方で両手を合わせ、肘を軽く伸ばして左右の前腕をできるだけ一つの面にします。手首や握った拳の先ではなく、手首より少し肘側にある前腕の平らな部分で受けるイメージです。
腕を固めすぎて肩が上がると面を操作しにくくなります。打つ直前に手首だけを返したり、片腕を持ち上げたりしないことがポイントです。狙う方向と面の関係は、球の勢いや体勢によって変わるため、まずやさしい球で出球を観察してください。
膝の使い方|低く構えることより、足を動かせる姿勢が大切
足を肩幅程度に開き、膝と股関節を軽く曲げ、上体を少し前へ傾けます。かかとに重心が偏らないようにして、左右や前後へ動きやすい姿勢を作ります。膝だけを深く曲げるのではなく、股関節と足首も使ってボールの高さに合わせることが大切です。
返球時は、膝を急に伸ばしてボールを跳ね上げるのではなく、足元で姿勢を支えながら必要な分だけ体を動かします。速い球では、積極的に押し出すより面の安定を優先する場面もあります。
足運び|腕を伸ばして追う前に正面へ入る
ボールが左右にずれたら、可能な範囲で小さく足を運び、体の正面で受ける位置を探します。大きく届かせようとして片腕を振ると、左右の面がずれやすくなります。動いた後に足が止まるか、面を作れるかまでを一組で確認しましょう。
最初のチェックポイント
- 構えたとき、膝と股関節が無理なく曲がっている
- 前腕が左右に分かれず、同じ方向を向いている
- ボールを体の正面付近で受けられる
- 当たる直前に腕を大きく振り上げていない
初心者向け|アンダーハンドパスの練習手順
最初はボールの勢いと方向を予測しやすくするため、二人一組の手投げから始めます。以下は練習メニューの一例です。成功率や体力に合わせて回数・休憩を調整してください。
ステップ1|ボールなしで腕の面を作る
構えた姿勢から両手を合わせ、前腕の面を作って3秒程度保持します。正面・少し右・少し左へ体の向きを変え、手首だけで面をねじらず、肩から腕を一緒に動かせるか確認します。
ステップ2|自分で軽く投げた球を上へ返す
頭上に低めのトスを上げ、落ちてきたボールを前腕で小さく真上へ返します。高さを競わず、体の近くに上がるかを見ます。難しければトスを低くし、いったんキャッチしてフォームを確認します。
ステップ3|手投げの球を決めた場所へ返す
相手にゆるい山なりの球を投げてもらい、相手の手元や指定した目印の周辺へ返します。最初は投げる位置を固定し、面の向きと腕の振り幅を同じにします。目印は無理なく狙える広さから始めます。
ステップ4|一歩動いてから同じ面を作る
相手に左右または前方へ少しずらして投げてもらいます。最初は移動方向を予告し、足を動かして静止に近い姿勢で返します。安定してきたら予告をなくし、方向を混ぜます。
ステップ5|ラリーにつなげる
ゆっくりした打球や簡単なレシーブ練習に移り、次のプレーヤーが扱いやすい高さ・方向へ返せるかを見ます。球が速くなって崩れたら、手投げの練習へ戻って原因を確認します。
よくあるミスの原因と直し方
返球が安定しないときは、出球の方向と当たる位置を手がかりに原因を一つずつ切り分けます。ボールの回転や速度も結果に影響するため、下の表は確定診断ではなく確認の出発点です。
| 起きること | 確認する点 | 試す修正 |
|---|---|---|
| 左右へ外れる | 片腕が上がっていないか、体の正面から外れていないか | やさしい球で足を先に動かし、面をそろえる |
| 高く上がりすぎる | 腕を下から大きく振っていないか、面が上向きすぎないか | 腕の振り幅を小さくし、同じ球で面の向きを確認する |
| ネットを越えない・短い | 返す方向に面が向いているか、体勢が後ろに残っていないか | 足を運んで姿勢を整え、無理のない体の動きで返す |
| 腕の片側に当たる | ボールへ近づく位置、両肘の高さ | 手投げに戻し、正面で左右の面をそろえる |
| 速い球で大きくはじく | 腕を振り足していないか | 面を早く準備し、必要以上に押し出さず受ける |
ミスが続くときは「面→位置→力加減」の順に確認
同じような球を続けて投げてもらい、まず面が左右に崩れていないか、次にボールの下へ入れているか、最後に余分な振りや押し出しがないかを確認します。一度に複数の動きを変えると、どの修正が効果的だったか判断できません。
注意|無理に腕や膝を固めない
強く組んだ手を無理にねじる、膝を深く曲げたまま長時間固定する、痛みのある状態でレシーブを繰り返すことは避けましょう。手首・肘・肩・膝に痛みがある場合は練習を中断し、必要に応じて医療専門家に相談してください。
練習時は周囲との距離、床の滑りやすさ、ボールの飛来方向にも注意してください。
練習の進め方|できたかどうかを記録する
「何本できたか」だけでなく、「どう崩れたか」を記録すると練習内容を選びやすくなります。例えば手投げ10球を1セットとし、狙った広い範囲に返せた球数、左右へのミス、腕を振り上げた回数をメモします。10球は提案メニューの一例であり、達成すべき基準や上達の保証ではありません。
練習後のセルフチェック
- 同じような球に対して、前腕の同じ場所に当てられたか
- 左右にずれた球で、腕より先に足が動いたか
- 相手が次のプレーをしやすい範囲へ返せたか
- ミスをしたとき、面・足運び・力加減のどれが原因に近いか説明できるか
球の強さや目的で練習を変える判断方法
次の練習を選ぶ目安
面が毎回違う方向を向く場合
ボールなしの構えと、ゆるい手投げに戻る。面を固定できる条件を先に作ります。
正面では返せるが左右の球に弱い場合
予告ありの左右一歩練習を増やす。腕を伸ばすのではなく、足で打球位置を調整します。
ゆるい球は返せるが速い球で飛びすぎる場合
腕を振り足していないかを見直す。球速を下げた練習から再開し、面の向きと受け方を確かめます。
相手には届くが次のプレーにつながらない場合
返す高さと方向の目標を決め、次の人が動きやすい範囲へ送る練習に切り替えます。
まとめ|アンダーハンドパスは面を作り、膝と足で位置を合わせる
アンダーハンドパスが安定しないときは、腕を大きく振る前に、両前腕の面がそろっているか、膝と股関節を使って動きやすい姿勢を取れているか、足でボールの位置へ入れているかを確認してください。練習は「面を作る→やさしい球を返す→一歩動く→ラリーにつなげる」と進めると、課題を見つけやすくなります。
最終結論
アンダーハンドパスは、両前腕の面をそろえ、膝・股関節と足運びで打球位置を合わせ、小さな動きで狙った方向へ返すことから練習しましょう。返球が乱れたら球速を下げ、面・位置・力加減を一つずつ確認するのが改善への近道です。